コラム

財産分与の請求期限が5年に伸びました

2026.09.15

【結論──2026年4月1日以後の離婚は5年、それ以前は2年】

令和6年の民法改正により、財産分与を請求できる期間が、離婚時から2年から5年に伸長されました(民法768条2項ただし書)。改正法は2026年4月1日に施行されています。

同日以後に離婚した場合は5年、同日より前に離婚した場合は従前どおり2年です。どちらに当たるかは、離婚届が受理された日で決まります。

【なぜ期間が伸びたのか】

2年という期間は、実務上あまりに短いものでした。離婚の直後は、住まいの確保、子の転校、就労といった生活再建に追われ、財産の調査まで手が回らないのが通常です。

相手方が財産の存在を伏せたまま離婚を急がせ、2年が経過してから実態が判明するという事態も起きていました。5年への伸長は、この不均衡を是正するものです。

【伸びても「後で調べればよい」とはならない理由】

期間が伸びたことと、後回しにしてよいことは別です。

時間の経過とともに、預貯金の取引履歴は取得できる範囲が狭まり、退職金や保険の解約返戻金は当時の数値を確認しにくくなります。相手方が財産を費消・移転してしまえば、権利があっても回収できません。

5年は「猶予」ではなく「上限」と考えるべきです。

【あわせて明確化された分与の考慮要素】

同じ改正で、財産分与の額と方法を定める際の考慮要素が条文上明確にされました。婚姻中に取得・維持した財産の額、その取得・維持についての各自の寄与の程度、婚姻の期間、生活水準、協力及び扶助の状況、各自の年齢・心身の状況・職業・収入などです。

そのうえで、寄与の程度は原則として夫婦で相等しいものとされました。いわゆる2分の1ルールが、条文上の裏づけを得たことになります。

【すでに離婚された方へ】

2026年4月1日より前に離婚し、まだ2年の期間内である場合は、直ちに検討してください。期間内に協議が調わない見込みであれば、家庭裁判所への申立てを先行させる必要があります。

【最後に】

期間制限のある権利は、気づいたときには手遅れになっていることがあります。ご自身の離婚がどちらの期間に属するか、対象となりそうな財産に何があるかを、まず整理しましょう。

離婚・男女問題のご相談は、福岡市中央区赤坂の北古賀・舛谷法律事務所へ。地下鉄赤坂駅から徒歩1分です。