当事務所は、依頼者情報の保護と法令適合性を確保したうえで、生成AIを適正に活用し、より質の高いリーガルサービスを提供します。本方針は、その利用にあたって遵守すべき基準を定めるものです。
制定日:2026年8月6日/北古賀・舛谷法律事務所
1. 目的・基本方針
本方針は、当事務所における生成AI(大規模言語モデルを用いた文章生成等のサービスをいいます。以下同じ。)の利用について、次の3点を柱として、その適正な活用を図ることを目的とします。
- 依頼者情報の保護と守秘義務の徹底を最優先とすること
- 関係法令および弁護士倫理に適合した利用を確保すること
- 生成AIの利用を透明性のある形で管理し、事件処理の品質向上に資すること
当事務所は「最高のリーガルサービスを、より身近に。」という理念のもと、生成AIを人による判断を補助する道具として位置づけ、最終的な判断と責任は常に担当弁護士が負うことを前提に運用します。
2. 適用範囲・利用できる者
本方針は、当事務所の業務において生成AIを利用するすべての場面に適用されます。
業務における生成AIの利用は、当事務所に所属する弁護士に限ります。事務局員その他の職員が業務で生成AIを利用する場合は、担当弁護士の指示および監督のもとで行うものとし、本方針に定める入力・確認・記録の各ルールを同様に遵守します。
3. 利用する端末・環境の限定
生成AIの業務利用は、当事務所が管理する業務用端末からのアクセスに限ります。私用端末からの業務情報の入力は行いません。
利用にあたっては、当事務所のセキュリティに関する取扱いに従い、承認されたサービス以外の生成AIに業務情報を入力しないものとします。
4. 利用できる生成AIサービス
業務情報を取り扱う生成AIサービスは、次のすべての要件を満たすものに限ります。
- 入力したデータがAIモデルの学習に利用されない設定であること
- 事業者との間で秘密保持契約(NDA)が締結されていること
- 事業者との間でデータ処理契約(DPA)が締結されていること
上記要件を満たすものとして、当事務所が業務利用を承認する生成AIサービスは、現在、ChatGPTの有料法人向けプラン、Claudeの有料法人向けプラン、及びGemini for Google Workspace(法人向けプラン)です。これら以外のサービスに業務情報を入力することはありません。
承認するサービスは、技術動向および契約条件の変化に応じて随時見直します。
5. 情報の入力に関するルール
生成AIへの情報の入力にあたっては、次の点を遵守します。
- 依頼者の秘密、個人情報その他の機微な情報を入力する場合は、前記4の要件を満たす承認済みサービスに限り、かつ必要最小限の範囲にとどめます。
- 入力の要否および範囲は、事件の性質、依頼者の意向、想定されるリスクを踏まえて担当弁護士が判断します。
- 個人情報の取扱いは、個人情報の保護に関する法律その他の関係法令に従います。
6. 出力内容の確認義務
生成AIの出力は、そのまま成果物として用いることはありません。担当弁護士は、出力内容について次の観点から確認・検証したうえで利用します。
- 法的な正確性(法令・裁判例の内容および最新性を含む)
- 事実関係との整合性
- 依頼者の利益への合致
特に、法令の適用関係や裁判例の存否・内容については、担当弁護士が一次情報にあたって確認するものとし、実在が確認できない情報を成果物に用いることはありません。
7. 生成AI利用の透明性
当事務所は、生成AIの利用について透明性を確保します。依頼者に提供する成果物において生成AIを利用した場合で、その旨を示すことが相当と認められるときは、これを明らかにします。
依頼者から生成AIの利用状況について照会があったときは、本方針に基づき誠実に説明します。
8. 守秘義務・利益相反への配慮
生成AIの利用は、弁護士法および弁護士職務基本規程に定める守秘義務を何ら軽減するものではありません。担当弁護士は、生成AIの利用によって依頼者の秘密が漏えいすることのないよう、入力内容および利用環境に十分配慮します。
利益相反その他の依頼者間の利害に関わる情報の取扱いについても、通常の事件処理と同一の基準で管理します。
9. 記録・ログの保管
業務情報を入力・出力した生成AIの利用については、その記録を保管します。保管期間は、当事務所の事件記録の保管期間に準じるものとします。
10. 問題発生時の対応
生成AIの利用に関して情報漏えいのおそれその他の問題が生じた場合またはそのおそれがある場合、担当弁護士は速やかに事務所内の管理責任者に報告し、被害の拡大防止および原因の究明に必要な措置を講じます。
11. 方針の見直し
本方針は、生成AIに関する技術、関係法令、業務実態の変化に対応するため、原則として年1回定期的に見直すほか、必要が生じた場合には随時見直しを行います。